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マイケルジャクソンとプロポフォール..

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26 8月 2009 2,974 views No Comment

dip_20_dpマイケルジャクソンがプロポフォールという麻酔薬を睡眠薬代わりに使っていたこと。その使い過ぎで死亡した可能性があることがニュースで流れています。さて、このプロポフォールという麻酔薬、今では動物病院でも日常的に用いる麻酔薬の代表格ともいうべき薬です。

当院では、十数年前、海外からの情報で非常にいい麻酔薬が出ているというのでいろいろ調べ、日本では発売されておらず、輸入して使っていました。今では日本でも発売されています。動物病院では、通常このプロポフォールは麻酔の導入に使います。このプロポフォールを血管に留置した留置針というものから注入して動物を眠らせ、その後吸入麻酔器に接続してイソフルランなどのガス麻酔で維持するのが一般的です。

プロポフォール自体は非常にいい麻酔薬です。安全域も高く、投与後約10分ほどで目覚めはじめます。これは麻酔薬にとっては非常に重要です。一般的に手術や処置している時には眠っててほしいけど、終わればなるべく早く覚めてほしいというのが医療の世界です。そのため、まず、眠らせるためにこのプロポフォールを使います。この薬自体は10分ほどで切れてきますので、その間に口から気管に気管チューブという管を入れ、プロポフォールが切れる頃にはガス麻酔の準備ができているのでそちらで維持することができるからです。

さて、薬はどれもそうですが、作用と副作用があります。プロポフォールには循環器系への抑制作用がありますので、過剰に投与すると心拍低下と血圧低下を招くことがありますので、心電図などのモニターを装着して手術を行うことはもちろんです。また呼吸抑制作用があるので、素早く気管チューブを挿入して麻酔器や人工呼吸器に接続する必要があります。もちろん心電図や呼吸モニターなどがない、ガス麻酔器がないような施設で用いるべき麻酔薬ではありません。

また、この麻酔薬はちょっと変わっていて真っ白な液体です。普通の注射薬の多くは透明なことが多いのでちょっと異質です。これは脂肪乳剤を乳化剤としたエマルションの形を取っているためです。他にも高カロリー輸液剤なんかの中には同じように乳白色な注射薬がありますが、一般の静脈にこんな真白な液体を注入することはそれまでなかったので、初めて使う時にはうちの愛犬(確か歯石取りをしたような..)に用いたのを覚えています。

それとこの麻酔薬は脂肪乳剤を用いているため細菌が繁殖しやすく、すべて使い捨てです。ここが我々動物病院にとっては痛いところ。通常日本で売られているものは20ml入りが最小単位。小型犬や猫などはほとんど捨てることになります…。アメリカでは10mlは動物病院用に販売されているのですが日本にはありません。いつも思うのですが、ペットの医薬品に関してはまだまだこの国は後進国です。

とにかくプロポフォールは使い方さえ間違えなければ非常に安全な麻酔薬であることを知ってください。


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