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やっぱ医薬部外品のノミ取り剤は怖いな..

壱岐動物病院 院長 福山 達也 ブログ » ペット豆知識 » やっぱ医薬部外品のノミ取り剤は怖いな..

 この季節になるとノミで悩んでいる飼い主さんは多いものです。みなさんはどんな製剤を使われていますか? ノミ取りシャンプー? ノミ取り首輪? スポットオンタイプ? また動物病院で処方されるもの? 一般のお店やディスカウントストアーで売られてるもの? 医薬品? 医薬部外品?

 さて、たまたま見つけて怖〜い、こんなん売られてるんだ? とびっくりしたんですが、一般のノミ取り製剤で「ペルメトリン」などピレスロイド系薬剤を含んだノミ取り首輪やスポットオンタイプのノミ取り剤が平気で売られています。
 この薬剤は実は猫には禁忌です。一般の哺乳類には有害でなく昆虫にのみ中毒症状を出すため予防薬として使用されていますが、猫はピレスリン系とピレスロイド系薬剤を分解する能力が著しく低いために、中毒症状を起こす可能性があり、最悪の場合死に至ります。イギリスの論文統計ですが、不適切なペルメトリンの使用による猫の死亡率は10%ほどだそうです。また、子猫に対しては有害作用が強くなる傾向があります。
 症状は、痙攣発作などの神経症状、元気がなくなる、流涎(ヨダレを流す)などが主で、回復には通常2〜3日かかり、長い猫は1週間もかかります。
 今回は、たまたま、私もスタッフとして参加しているVMNという日本の獣医さんに世界の獣医学の最新データをお届けしているサービスの今週の文献の中で目に留まったのですが、こんなことは獣医さんさんたちの間では常識です。まさかペルメトリンの入った猫用のノミ取り製剤は売られてないだろうと思い、念のためネットで検索かけると出るは、出るは......。どういうこと? 用量が少なかったら大丈夫だろうってこと? 製品作る時に文献でもしらべれば猫には禁忌である情報はたくさん流れているだろうに.......。人間に安全だから、猫にも安全だろうくらいの考え方なんでしょうか?(これは飼い主さんの中にもいらっしゃいます。また、犬に安全だから猫にも安全と思っている人もいますが、獣医さん業界の格言で「猫は小さな犬ではない」というのがあります。まったく別の生き物です)
 あとは、飼い主さんで犬用の製剤を猫に使う人がたまにいるそうです。犬用の方が用量が多く、分けて使えば割安だと考えたり、犬用のが残ったから猫にもつけちゃえという考えみたいですが、ちょっと浅はかですね。犬猫使えるんなら犬猫用とするところをわざわざパッケージ分けたりしてるということはやはり用法や用量、成分などが違うということですから、みなさんはそんなことしないで下さいね。
 動物病院では犬や猫の種類はもちろん、それぞれの子の体重や飼育環などを考慮しながら複数のメーカーや製品の医薬品を使い分けます。ノミで悩んでいるんだったらまず主治医の先生や動物病院のスタッフに相談してみるのがいいいと思いますよ。なにより安全だし..。
 薬も安くて効果があり、安全なら一番いいんですが、製薬会社も全部がボランティアというわけにもいきませんから、効果が高く、安全性が高いものなら高く販売したいと思うのはある意味当然ではないでしょうか? 研究開発にもお金がかかるわけですし...。
 まあ、最悪なのは高くて効果がなく、安全でない薬ですが、こういうものはほとんどありません。で、一般に市販のノミ取り製剤を見ていると、安くても効果がないというのが私のイメージだったんですが、これに安全でないが加わると最悪に近い状態。毎年、市販のノミ駆除剤を使って副作用で運び込まれてくる犬や猫を見るわけです。もちろん中には飼い主さんが使い方を間違えているというのもありますが.......。

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