HOME >> 壱岐動物病院院長ブログ > 骨肉腫と肺転移..
一昨日はじめて来院された飼主さんの犬ですが、数週間前から跛行をしていたそうです。そのうち治るだとうと思っていたけど治らないので連れて来たということでした。11歳で原因は不明、繋いでいたけど突然跛行がはじまったと....。
触診するとやや足が腫れています。前足を接地することができず3本足で歩いています。前にもブログで書きましたが、犬が足を地面に着かないで歩く場合は、骨折していたり蛇に噛まれていたりする時が多いものです。しかし今回は触診で骨折もなさそうだし、蛇に噛まれた気配もありません。取り敢えず原因をさぐるためにレントゲンを撮る事になりました。撮影後コンピュータにレントゲンが表示されはじめた瞬間に原因がわかりました。骨の腫瘍です。たぶん骨肉腫と思われます。なぜ骨肉腫という診断になるかというと犬の場合統計的に骨にできる主要の約80%以上が骨肉腫なんです。そしてこれには特徴的なレントゲン像が見られます。正式には組織検査などをしなければなりませんが、状況からすると間違いないと考えました。 飼主さんに骨肉腫の疑いが最も高いという話をして、一般的には2つ上の関節から切断し、抗ガン剤などを用いる話をしました。但し、今回は前足の肘の部分ですので手術するとしても肩の関節から切断するしかありません。ただ肺に転移が見られた場合はこれらを行っても難しいという話をして、まず肺のレントゲンを撮影して転移してないか確かめなければならないという話をしました。で、掲載しているのがその中の1枚です。肺に多数の転移が見られます。残念ながらこうなると予後不良です。この状態で手術や抗ガン剤というのは一般的にほとんど効果は期待出来ません。痛みがひどければ痛みを取ってあげたり、最悪の場合は安楽死も考えなければならない状態です。 皆さんに知っておいてほしいのは、犬の骨肉腫は進行が非常に速い病気です。跛行を示している犬のレントゲンを今日とってもたいしておかしくないのに2〜3週間後に撮るともう手遅れということもあります。たいてい普通の方は犬が跛行していると様子を見てしまう人が多いのですが、次の時には骨肉腫の疑いがあるかもしれないので早めに受診してください。 まず、中型から大型犬で中年以降で事故等もなく理由も分からないのに突然跛行が起こった時は早めにレントゲンを撮影することをお勧めします。速い段階であれば手術と抗ガン剤で長く延命させてあげることができる可能性もあるからです。 骨肉腫自体はの犬での発生率は100,000頭に7〜8頭程度とされています。ですからうちのような田舎病院で、あんまり犬の飼育頭数の多くないところだと確率的にはもうしばらく見ることはないかと思いますが......。診断は簡単ですがあまり見たくないレントゲンですね。 まず、動物病院に老齢になるまでかかったことのないという飼主さんの動物は何事につけても遅いのが常です。予防注射やフィラリア予防等飼主の責任としてやらなければならないことがあるのにそれを怠っているということは、いざという時に手遅れになることが多いものです。「うちの子は元気なんで、今まで病院なんてかかったことなくて!」なんて言ってる人は『私はきちんとした飼い方しらないのよ〜〜』と言ってるようなもの.....。まあ、自分はいいでしょうが、こんな人に飼われる動物は最悪です.....。
投稿者: 院長 福山 達也 日時: 18:21 | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)
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